日本からの送金


まず、銀行経由の送金の注意点として、 2016年以降はマイナンバーの登録をしておかないと 海外送金はできないということを知っておく必要があります。
さらに、日本国内のFXなどの他の金融機関でポンドを両替し、 銀行経由で送金する場合は、 送金に使用する銀行で外貨預金口座の開設をしておく必要があります。
これらは渡英してからでもオンラインでできる銀行もありますが、 必ず支店窓口に行く必要がある銀行もあります。 よって、できるかぎり渡英前にやっておくべきものです。

次に、送金時の注意点として、 送金方法によって手数料がかなり変わるということです。 つまり、その手数料をどうやって節約するかがとても重要になってきます。

例えば、三井住友銀行は普通に円口座から送金する場合、 為替手数料はポンドであれば片道4円です。 つまり、10,000ポンドでは4万円となり、 まとまった金額を送金する場合馬鹿になりません。 他の都市銀行でも同様の状況です。

ところが、途中でFXの外貨調達を使うと この為替手数料を相当安く抑えることができます。
つまり、FXで外貨調達してから送金指示をする国内の銀行に外貨のまま送金し、 国内の銀行の外貨口座から外貨のまま海外送金するということです。
その他の送金に関連する手数料も送金方法によって変わってきますので、 よく調べてできるかぎり節約するのが賢明です。

それにしてもこういった海外に関係する手数料って なんでこんなに高いんでしょうね。 FinTechということでTransferWise のようなサービスも出てきましたが、 少なくとも円ポンドのような国際通貨の送金に対してははっきり言って安くない。
こういった手数料はもっと破壊的イノベーションが 起きて劇的に下がることを願っています。

送金手数料シミュレーション

というわけで、FXを利用する送金方法の理解を深めるために、 具体例として、セントラル短資FXでポンドを両替したあと、 三井住友銀行とソニー銀行経由でLloydsに海外送金するシミュレーションをしてみます。

前提条件1

例: 990,000円を為替レート1ポンド150円で送金する

990,000 / 150 - 990,000 / 150.14 = 6.15ポンド
6.15ポンド + 3,500円 + 2,500円 = 6,923円
手数料率 = 6,923円 / 990,000円 = 0.7%

前提条件2

例: 10,000ポンドを為替レート1ポンド150円で送金する

4銭 * 10,000 + 500円 + 1,500円 + 3,000円 + 3,000円 = 8,400円
手数料率 = 8,400円 / 1,500,000円 = 0.56%

ソニー銀行では外貨預金優遇ゴールドの場合、 海外送金手数料が月1回無料になりますので、 さらに手数料率は下がります。

なお、ソニー銀行のFXで直接ポンドを調達するという方法もありますが、 外貨ポジション受渡し手数料が10,000ポンドにつき3500円と高額で、 さらにポンドのスプレッドも1ポンドにつき8銭ですから、 セントラル短資FXの出金手数料を考慮してもセントラル短資FXでポンドを 調達したほうがポンドの送金コストは安くなります。

このように、送金額が大きくなるほど手数料率も下がってきます。 逆に、少額の場合はクレジットカードの海外キャッシングの金利の方がお得になってし まいますので、送金額に応じて送金方法を使い分けるようにします。


暗号通貨による送金

送金手数料を節約するために 最近はビットコインなどの暗号通貨を使って海外送金する方法もあります。
ただ、以前はビットコインを使う方法は送金手数料がほとんどかからないのが魅力でしたが、 最近はビットコインプラットフォーム上のトランザクションが著しく多くなり、 ある程度送金手数料を払わないと送金に著しく時間がかかる、 もしくは送金自体がキャンセルされる場合もあります。 よって、送金手数料をいくらくらいにすればいいのか、 送金時によく確認する必要が有ります。

さらに、取引価格の変動とスプレッドの開きに注意が必要です。 以前は、スプレッドの目安は0.5%くらいかと思っていましたが、 最近はビットコインの値動きが激しいのでどこの取引所もスプレッドも広くなり、 スプレッドだけで見るとイマイチ感が強いです。
このスプレッドはビットコインを売り買いする取引所によってかなり違い ますので、取引所の選定は手数料の節約には非常に重要ですが、 それよりも一日の価格変動の方が大きすぎてスプレッドは誤差のようになっ てきた感もあります。

こういったビットコイン事情を鑑みれば送金用途ではイーサリアムのほう がまだましだと思います。

さらに、最近では暗号通貨に対するイギリスの税制も明確なってきており、 例えばイギリスでは暗号通貨の譲渡益に対して CGT(Captail Gain Tax)が課 税されます。 もちろん年間の非課税枠がある程度設定されていますが、 送金額とボラティリティによっては非課税枠を越える人もいるかもしれま せん。 その場合は HMRC(Her Majesty's Revenue and Customs) に申告が必要で す。
それに、送金手数料を節約したいのに CGT を払うというのは本末転倒だと思います。

よって、結局銀行経由の送金の方がトータルでは安かった、 ということになりかねませんので、 どの方法がいいのかよく考えた方がいいと思います。


送金を受け取るための口座情報

開設した銀行口座に日本から送金するには 少なくともSWIFT CODEが必要です。 このコードは国内口座の場合はオンラインバンキングで見ることができると思いますが、 オフショア口座の場合は口座を開設したときに IBAN と一緒に銀行から教えてもらえます。

Lloyds Premier International Account Information

Lloydsのオフショア口座へ送金するための送金先情報
IBAN が分からず自分で生成する場合、 IBAN のチェックディジット[xx]は自分で生成するのが手間なので、 IBAN Generaterなどで生成します。
この情報を送金手続きをする銀行に登録します。

SORT CODE301641
SWIFT CODELOYDIMD1002
BANK NAMELLOYDS BANK INTERNATIONAL LIMITED
BRANCH NAMEISLE OF MAN OFFSHORE CENTRE
ADDRESSPEVERIL BUILDINGS PEVERIL SQUARE [LOYDIMD1002]
ACCOUNT NUMBERaccount number
IBANGB[xx]LOYD301641[account number]

参考