イギリスのテレビ事情

イギリスのテレビ事情についていくつかの書いておきます。

TVライセンス

イギリスでは放送を見る場合は TVライセンス を契約する 必要があります。 イギリスの TVライセンス の仕組みはなんとなく日本のNHK受信料と似ている感じがしますがそれな りに違いがあります。

日本ではNHK受信契約にあたってはチューナーの有り無しが重要ですよね。 でもイギリスではチューナーの有り無しではなくて、テレビ以外にPCから でもスマートフォンからでも、とにかくなんらかの方法で放送を見る場合 はライセンス契約が必要とされるということなんです。 実際、オンデマンドで見逃し再生するときにも TVライセンス の有無を聞いてきたりします。

TVライセンス の契約方法ですが、テレビを店頭で購入するときに一緒に契約 するケースが多いようです。 しかし、私の場合は借りた家にテレビがすでにあったので Webからオンラインで契約しました。 支払いも日本のクレジットカードでできますのでそんなに難しく有りません。 費用は年額145.5ポンドでした。

日本ではNHK受信契約を促すときに、NHKの集金人がチューナーの有無を 確認したりしますが、イギリスではなんらかの測定装置を積んだ車で 定期的に巡回しているらしく、新しくテレビを買うとたちどころに把握され、 TVライセンス を契約していない場合は契約を促されるようです。 では契約しないとどうなるかというと、刑事責任が問われることもある らしく、逮捕されて留置される人もいるとか。日本では刑事責任までは問 われないと思いますので、NHK受信料よりさらに税金に近い位置づけになっ ています。

ちなみに、75歳以上だとこの TVライセンス の支払いを免除されるようですが、 近頃は免除するのをやめようかという議論が議会でなされているようです。 少子高齢化になっていくとしょうがないんでしょうね。

ただ、これだけで BBC 以外の民放も含めて Pay per View 以外の放送はすべてカバーされるのです。 さらに、後述の YouView のようなオンデマンドサービスもすべてカバーされます。
日本では民放の「 XXX オンデマンド」はもちろんのこと、 受信料を徴収する NHK ですらオンデマンドサービスにたいして さらにお金取りますものね。

日本の放送業界は偏向報道などの別の問題もありますし、 電波オークション等の導入を含めて視聴者のほうを見た業界全体の改革が必要だと思います。

YouView

イギリスでは放送波とIP TVをシームレスに融合した YouView が運用されています。
YouViewBBCのほか民放各社も参加し、 電子番組表や見逃し再生が 統一感のあるユーザインターフェースで楽しめます。 リアルタイム視聴は地上デジタル、見逃し再生はIP TVというわけです。

日本だとNHKオンデマンドやらひかりTVやらTVerやら、 仕組みは何となくありますが、とにかくバラバラですよね。 その点ではイギリスはかなり進んでいるように思います。 果たして日本で各利害関係者間でここまで調整できる日は来るのでしょう か。

ただし、 YouView を使うには通常セットトップボックスが必要です。 YouView のWebの Get YouView を見るとこのセットトップボックスはテレビを売っている電器店や各コン テンツプロバイダーから購入できることと、 ソニーのBRAVIAにはそのセットトップボックス相当の機能が内蔵 されているモデルがあることがわかります。 つまり、ソニーの該当BRAVIAを購入した場合は別途購入する必要はありません。 いまのところ YouView のテレビ内蔵はソニーだけみたいです。 というわけで、私はソニーBRAVIAの4K Andorid TVを追加購入しました。

見逃し再生(Catch Up)

各放送局のかなりの番組が放送から7日間は YouView のみならず、 PCやスマートフォンでも専用アプリケーションをインストールすることで見逃し再生ができます。 さらに、ストリーミング再生のみならず、 一旦ローカルストアにダウンロードしてから再生することも可能です。 この場合、7日経つとローカルストアから消えてしまうようです。 HD品質の映像をダウンロードできますし、字幕も再生できますので、 本放送と比べても遜色無く見逃し再生を楽しめます。